日航機墜落23年 御巣鷹に慰霊登山
犠牲者の冥福祈る
山形新聞(2008.8.12)
520人が命を落とした1985年の日航ジャンボ機墜落事故から12日で23年となった。全国各地から集まった遺族らは朝から墜落現場となった群馬県上野村の「御巣鷹の尾根」に慰霊登山に向かった。
今年は登山口に続く村道と迂回(うかい)路の両方が土砂崩れで通行止めに。そのため上野村などは村道の崩落個所に長さ約60メートルの仮設歩道を設け、12日のみ遺族らの通行を許可した。
晴れ空の下、遺族らは花束などの供え物を抱いて墜落現場近くに置かれた「昇魂之碑」に向かった。近くに「今年も来ました」など犠牲者へのメッセージを書いた短冊を飾り、冥福を祈った。
小菅さんは「身元不明社会にしないために尽力したい」と訴えている。
歯の身元確認システム開発
登山に毎年参加 群馬県の歯科医
群馬県高崎市の歯科医師、小菅栄子さん(36)が歯のエックス線写真を利用した遺体の身元確認システムを開発した。父も歯科医師で日航ジャンボ機墜落事故の身元確認に加わり、親子で毎年の慰霊登山に参加している。
新システムは、身元不明者の歯のエックス線写真と生前撮影された歯のエックス線写真をパソコンで照合、類似度を数値化する仕組み。数値の高い数枚を歯科医師らが目で精査する。
歯のエックス線写真は撮影時にひずみなどが生じ、自動照合は難しいとされてきた。画像同士の位置を正確に合わせる東北大の技術を取り入れ精度を上げることに成功し、昨年11月に米国の国際会議で発表した。
小菅さんの父、篠原瑞男さん(62)は日航機墜落事故の身元確認に検視医として従事。