歯科情報で身元確認
新居 個人識別法で講演会
静岡新聞(2009.02.06)
新居署は5日、新居町民センターで「個人識別法に関する特別講演会」を開いた。歯科情報を使った、大規模災害時などにおける身元確認システムの可能性について歯学博士の小菅栄子さんらが講演した。
群馬県検視警察医を務める小菅さんは「大規模災害を想定した口内法エックス線画像による個人識別」について話した。小菅さんは、大規模災害時の身元確認について迅速化と効率化が必須であるとし、歯科情報の有用性を示した上で「歯科情報は、大規模な生前データベースを構築できる唯一の生体特徴」と指摘。「コンピューターによる歯科エックス線画像の照合技術が実用化されれば、身元確認支援システムを構築することも可能になるだろう」と語った。
また、口内エックス線画像による個人識別を可能にする技術的背景について、東北大大学院の青木孝文教授が説明した。
早期身元特定へ「歯型DB化を」
新居で講師が提唱
中日新聞(2009.02.06)
多くの犠牲者を伴う大規模災害の発生時に、歯のエックス線写真を身元特定に役立てる新システムについて考える講演会が5日、新居町民センターで開かれた。
システム構築への理解を広めようと、新居署が開催。群馬県検視警察医の小菅さんと東北大学大学院の青木孝文教授が講師を務め、警察や、消防、防災、行政、歯科医師会などの約250人が参加した。
新システムは、生前に収集したデータベース(DB)化した歯科情報と、遺体の歯のエックス線写真を照合する方法。パソコンを使って一人数秒で判別でき、作業効率が飛躍的に向上するという。日航ジャンボ機墜落事故(1985年)で遺体の身元確認に尽力した父親の影響で、小菅さんが開発に携わった。
小菅さんは、大規模な身元確認作業のための社会基盤の未発達を指摘。歯科情報は収集される抵抗感が指紋より低いことなどメリットも解説し、「歯科情報は犠牲者と遺族をつなぐ最後のきずなであり、社会の財産」とDB構築の必要性を訴えた。
青木教授は、DB構築に向けた制度設計と、実用化のための最先端技術を披露し、照合の具体的な手順を紹介した。
歯での身元確認システムを解説
前橋で小菅さん、青木教授講演
上毛新聞(2009.2.22)
歯のエックス線写真を利用したパソコンで身元確認システムを日本で初めて開発した高崎市高関町の歯科医、小菅栄子さんと、研究開発をバックアップしている東北大の青木教授による講演が19日夜、前橋文京町の県生涯学習センターで行われた。
県保険医協会が定期的に開いている研究会の一環。同システムに注目している県警の関係者や歯科医師ら約100人が出席し、熱心に耳を傾けた。
小菅さんは検視警察医の立場から、自ら開発したシステムについてスクリーンを使って説明。地震など巨大災害の際、身元確認に大きな威力発揮するとして、その基礎となる歯科情報のデータベース化と緊急時の迅速な情報提供制度の必要性を訴えた。
青木教授は、システムの根幹となる画像のマッチング時術について解説。制度は高まっており、実用化に向け歯科医師会と政府、自治体、警察などが連携して制度化を、と期待感を示した。
歯のX線画像照合 遺体の身元確認へ
高崎の歯科医ら研究
朝日新聞(2009.02.25)
大規模災害などが起きた時の歯による遺体の身元確認を支援するシステムを研究している高崎市の歯科医小菅栄子さんと東北大学大学院情報科学研究科の青木孝文教授がこのほど、前橋市内で開かれた保険医協会の定例研究会で講演した。
小菅さんは、85年の御巣鷹山日航ジャンボ機墜落事故で、歯科医師らが遺体の身元確認に苦労した経緯を知り、この研究を志した。
青木教授らと協力し、互いにずれやゆがみのある画像同士を照合する「位相限定相関法」という手法を歯に適用。生前と死後の歯のX線画像を照合し、同一人物かどうかを素早く確認できるシステムの研究に取り組んでいる。
ただし、誰が巻き込まれたかわからない地震などの天災やテロのような事件に際しては、生前のX線画像を収集することが難しい。
そこで、今回のシステムを有効に活用するために小菅さんらは、現在歯科医院がそれぞれ保存している画像を、将来的には大規模なデータベースとして整理する必要があると見ている。
個人の特定につながる歯の情報データベース化には、利点だけでなく課題もあることから、出席者に理解と協力を呼びかけた。
去る1月9日、院長の篠原瑞男が、1月23日に小菅栄子が、高崎警察署長より感謝状をいただきました。
警察医としての役務を評価いただいたものです。
これもひとえに、皆様の励まし、ご協力の賜と感じております。
ありがとうございました。