「歯科X線画像と個人識別」
警察も注目の研究会
全国保険医新聞(2009.04.05)
群馬・長野県境の山中に日航ジャンボ機が墜落してまもなく四半世紀を迎えるが、遺体の身元確認に協力した群馬の医師・歯科医師たちにとって、あの日々はいまだ記憶に新しい。
身元確認作業の迅速化・効率化を追求し、歯のX線画像から身元を特定するコンピュータシステムが、県検視警察医の小菅栄子氏(高崎市・篠原歯科医院勤務)らによって開発された。
2月19日、県生涯学習センターで開催した群馬県保険医協会の研究会「歯科X線画像と個人識別」には、102人が参加した。なかでも目を引いたのは、鑑識などの警察関係者が会場の半数近くを占めたことだ。マスコミも5社が取材し、群馬ならではの関心の高さを見せた。
小菅氏は、現在の災害・事故の分類と身元確認技術、歯科X線撮影の現状を報告し、自動照合技術について説明した。
また身元確認における歯科情報の重要性とデータベース化を訴え、「日本は大災害・身元確認のための社会基盤が欠如しており、それを補完するためには大規模な生前データベースを構築できる歯科情報が重要」と強調した。