当院の小菅栄子が、宮城県警本部長(23年10月27日)、高崎警察署長(24年1月20日)、宮城県歯科医師会(24年3月30日)それぞれ感謝状をいただきました。
「あなたは平成23年3月11府発生の東日本大震災に際し、情報科学の研究分野の見地から身元不明者の確認業務を積極的に推進し、歯科記録の照合による身元確認活動に多大な貢献をされました。 ここに深く感謝の意を表します。」
「あなたは平成23年3月11府発生の東日本大震災に際し、「エックス線撮影の枠組みと身元確認に使用するX線写真の自動照合」のアドバイスにより身元不明者の確認作業に多大なる貢献をされました。ここにその功績に対し深く感謝の意を表します」
警察医としての役務を評価いただいたものです。 これもひとえに、皆様の励まし、ご協力の賜と感じております。 ありがとうございました。 |
親子2代で歯による身元確認にかかわる
朝日新聞 全国版社会面(2012.4.1)
群馬県高崎市で診療する傍ら、歯型からの遺体の身元確認技術を研究する。東日本大震災では、宮城県警に協力。遺体の歯型の画像をデジタル撮影し、パソコンで管理できるようにするなど、作業のIT化を手助けした。
「歯による身元確認」に出会ったのは、中学生だった1985年の日航ジャンボ機墜落事故。高崎市の歯科医だった父・故篠原瑞男さんが駆り出された。連夜、遺体と向き合った臭いとともに帰宅する姿に、「家族の元に帰すんだという使命感を感じた」。
迷わず歯科部へ。群馬県警で父の検視作業を手伝った。遺体を調べ、生前の記録と紙ベースで照らし合わせる。やり方は85年と変わらなかった。「大きな災害や事故では確認が追いつかない」。指紋のように画像をパソコンで照合しようと考え、東北大の協力を得て07年から成果を発表し始めた。
父が生きていたら飛んでいったはず―。東北大震災の現場に赴き、遺体安置所で棺を次々と開けて家族を探す人々を見た。「あんなむごいことを遺族にさせちゃいけない」。画像照合は実用化できなかったが、IT化が作業時間の大幅な短縮につながった。
新年度から、CT画像の照合の研究も始める。「25年前から進歩しないと父や犠牲者に恥ずかしい」。今の時代だからできることを、と志を新たにする。